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第79回展観 
−柄鏡から和鏡の源流に溯る−

会 期 | 1997年4月26日(土)~5月11日(日)

展覧会概要

 現在、私たちは鏡といえばガラス製のものを考えます。しかしつい百年ほど前まで、日本の鏡の主流は青銅製でした。表面をよく磨いてものの姿を映す青銅鏡は、その背面に様々な紋様が施されています。磨かれなくなるとすぐ曇る鏡面とは違い、趣致をこらした背面の文様からは、鏡の作り手と使い手達の好みや美意識の時代的な変化を今も曇りなく窺い知ることができます。
 日本では鏡は弥生時代に中国から伝わりますが、日本独自の様式の鏡が製作されるようになるのは、中国文化の影響下から離れ国風文化が花開いた平安時代からです。それ以降、江戸時代の鏡を「和鏡」と呼びます。今回の展示では、江戸時代の柄鏡から平安時代の鏡までの文様・形態の歴史を、時代を遡りながら概観し、いわゆる和鏡の時代感覚や美意識の変遷、出現と完成の経緯を追って行きたいと思います。さらに、和鏡の源流となった中国の宋・隋唐の鏡を併せて展示し、「和鏡」の源流をたどります。
 人が想像でき得る過去の文化はおよそ百年前までと言われます。現代人に馴染みのある江戸時代を端緒として時代を遡り、鏡の文化に触れて行きたいと思います。
 尚、最後になりましたが、本展観の開催にあたり貴重な資料をご出品いただきました、関係諸機関ならびに関係者の方々に、厚く御礼申し上げます。

展示目録(パンフレット)

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