展覧会概要
「武士」は江戸時代における身分のひとつで、幕府や諸藩に仕えて「治国」を目指し、政治や行政に携わるのを本業としていました。彼らの中には「画家」として知られた人物もありますが、絵を売ることで日々の生活を送っていたわけではなく、あくまでも余技として描いたに過ぎませんでした。けれども、それを職業画家の作品と比べても、見劣りするわけではなく、むしろ余技であったゆえに、彼らの志向が色濃く反映され、それぞれに個性がうかがえるものとなっています。
そこで本展観では、職業画家を含んだ概念である「日本の文人画」という切り口からはいったん離れ、「武士」身分に限定して20名余りの作品を展示し、そこにみられる高い技量と精神性に迫ってみたいと思います。現在はあまり注目されない人物であっても、その表現に込められた技量と精神に触れたとき、江戸時代文化の多代性と奥深さを実感できることでしょう。
講演会
■公開研究会 午後1:30〜/当研究所講演室(入館者は聴講無料)
11/5(土)「高精細画像でみる江戸絵画の筆づかい、墨づかい」研究員 杉本 欣久
■鑑賞講座 各回午後1:30〜/当研究所講演室(入館者は聴講無料)
10/29(土)「中国の士大夫・文人の絵画」
所長 曽布川 寛
11/12(土) 「刀装具にみる武士の教養と美意識」
研究員 川見 典久
11/19(土)「武士はどのような画題を描いたか?」
研究員 杉本 欣久
展示目録
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