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えんちゅうへい
円柱柄銅剣

現長61.1㎝
戦国中期~後期

戦国時代に製作・使用された青銅製の剣で、剣身の基部に逆凹字形の格(鐔)をつけ、円柱形の柄をもつことから円柱柄銅剣と呼ばれます。
剣身・格(鐔)・柄を一度に鋳造した後、別に鋳造した剣首をはめ込んだ部品を柄の端部に鋳かけて一本の剣に仕上げています。

中国では殷代以来、遠距離戦では弓矢、接近戦では戈(カ)と呼ばれる打ち込み用の武器が使われました。剣が使われるのは超接近戦のときのみで、刀のように切りかかるのでなく、刺突し切り裂く刃物として使われたようです。剣身前半を内刳りに細くつくるのはこの使用法による特徴でしょう。柄に緱(コウ)と呼ばれる組紐を巻きつけて握りやすくした例も発掘されています。

戦国時代の円柱柄銅剣には、緑松石の象嵌や金象嵌の銘文をもつ例が多く、本品も格に象嵌用のくぼみや孔をとどめています。このような装飾性に富む剣は、実用というより佩用もしくは贈答用であったと考えられています。

全長60㎝を超える大型品で、緑松石の剥落と先端の欠けはあるものの、洛陽や楚の地域から発掘される精製品と比べても遜色なく、国内有数の一本です。
(石谷)
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